後悔しない「終活」のやり方〜よい「終わり」を迎えるために

互助会に入ることのメリットとデメリット

最近、葬儀社のCMがテレビで流れたり、雑誌に広告が載ったり、ということは何も珍しくなくなりました。特に、中高年向けの相続などをテーマにした雑誌では、5分の1近くが葬儀社や霊園、墓地、納骨堂の広告だった、なんてことも少なくありません。そして、これらの雑誌に載るような葬儀社が採用していることが多いシステムが「互助会」というものです。

ある調査では、日本で行われる葬儀の約4割がこの互助会のシステムを理想して行われているといわれています。だいぶ市民権を得てきているシステムといえるでしょう。そもそもこれはどんなシステムなのか説明しましょう。わかりやすく言えば、「生きているうちから毎月一定額のお金を積み立てて、亡くなったときにはそのお金を元手に葬儀を行う」というシステムです。

一見、これだけ見てみれば、とてもいいシステムであるかのように思えます。確かに、自分で積み立てたお金で葬儀を執り行うことになるわけですから、遺族の金銭的負担はぐっと減らせます。また、葬儀は基本にその葬儀社にお任せすることになるため、業者選びで迷うこともありません。さらに、互助会で扱うのはお葬式だけではありません。

結婚式なども扱っている互助会では、自分の家族(息子、娘)などが結婚するときにそのお金を元手に式を行うこともできます。つまり、冠婚葬祭の色々なシーンに向けて積み立てをすることができるシステムでもあるのです。互助会のメリットとしては以上のようなことが挙げられるでしょう。しかし、メリットがあれば、デメリットがあるのも事実です。では、互助会のデメリットとはどんなことがあるのでしょうか。

まず、資金運用が不透明な互助会も多い、ことがあげられます。互助会は会員の人から集めたお金を元手に運用や運営を行っています。その中には運営がずさんで、何をしているかわからない業者ももちろん存在します。もちろん、全部が全部そんないい加減な互助会なわけではありません。次に、解約ができない互助会が多い、ということがあげられます。

お金を積み立てていて、途中で気が変わって、「この葬儀社では葬儀をしたくないな」と思うこともあるかもしれません。そういう場合、解約ができない、もしくは、解約するに当たり多大な手数料がかかる、ということもありえるのです。互助会に入るときは、いろいろな資料を検討したり、実際に事務所に話を聞きに行ったりするなどして、わからないことがなくなるまで調べてから契約するといいでしょう。

最後に、互助会に向いている人と向いていない人について触れます。あなたは、自分のお葬式は色々な人に来てもらって華やかに行いたいですか?それとも、家族だけでひっそりと行いたいですか?前者の考えをお持ちの方は、資金を備える、という意味でも互助会に向いているかもしれません。互助会ではあるていど華やかな式を提示してくることが多いです。

一方、後者の人はあまり互助会には向いていません。互助会経由で頼むより、普通に葬儀社に頼んだほうが安かった、ということになりかねないからです。互助会に入る前に、「自分はどういう風に見送られたいのか」ということをはっきりさせることが大事と言えるでしょう。