後悔しない「終活」のやり方〜よい「終わり」を迎えるために

相続でもめないようにするにはどうすればいい?

相続でもめない方法を考えるより先に、「実際、どれだけの人が相続でもめているのか」ということをお話しましょう。一見、「相続でもめる」というと、一部のお金持ちだけかと思われるかもしれません。相続する財産がたくさんあるからもめるのか、ということでしょう。テレビドラマや映画でも、びっくりするようなお金持ちが亡くなって、残された遺族が骨肉の争いをする、というのは王道パターンです。

しかし、現実はそうではありません。「もめる=裁判にまで発展する」ケースを考えてみましょう。調査によると、遺産分割協議の裁判で、一番多かった相続財産の金額は「遺産が1,000万円超から5,000万円以下」という範囲だそうです。これくらいなら、たいていの家にあてはまりそうな金額ですよね。つまり、相続でもめるのは決して一部のお金持ちだけのことではなく、身近にあることなのです。

では、相続でもめる、という事態に至らないようにするには、どうすればいいのでしょうか。4つのポイントを抑えましょう。
1.家族同士でコミュニケーションを綿密にとり、各々の事情を把握する。
いくら家族といっても、独立して遠くに住んでいたら、なかなかコミュニケーションはとりづらいものです。

ただ、現在は電話にメールに、と通信手段はたくさんあります。そのため、綿密なコミュニケーションをとることは十分可能なはずです。日ごろからコミュニケーションを綿密にとり、それそれの事情を把握することに努めましょう。特に、親と長男夫婦が同居している場合、親の医療費を長男夫婦が出している、などといったお金周りの事情は的確に把握しておく必要があります。

2.しかるべき専門家に相談する。
相続の手続きは専門的な用語が多く、素人が関係する書籍を読んでも一朝一夕でわかるものではありません。また、後で述べるように遺言書を残そうと思っても、法的に有効な遺言書を残すには、さまざまな注意が必要となります。「

これは自分じゃ手に負えないな」と思ったら、早めに専門家に相談するといいでしょう。
市町村によっては、税理士、弁護士、行政書士、司法書士などの無料相談をやっていることがあります。そういったイベントを利用するのもいい専門家に出会うためのチャンスです。

3.遺言書を書く。
先にも述べたとおり、遺言書を書くことは、相続でもめないための基本です。家族それぞれの事情を把握し、しかるべき内容の遺言書が書ければ、相続でもめるリスクはだいぶ低くなります。「遺言書の書き方なんかわからないよ」という人は、2でも述べたとおり、専門家に相談してみるといいでしょう。

4.エンディングノートを書く。
エンディングノートは先に述べた遺言書とは違い、法的に効力のあるものではありません。しかし、「自分は残された人にどうして欲しいのか」ということを書く場合、これはとても有効な手段となります。「自分のことでけんかしないでほしい」ということを書いておけば、残された人も醜い争いをすることはなくなるでしょう。

まとめになりますが、相続でもめる、というのは、結局のところ、「亡くなった人がどうして欲しいかわからないから」なのです。生前に何らかの形で「自分はどうして欲しいのか」を明らかにすることで、そういった揉め事はだいぶ減らせます。

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