後悔しない「終活」のやり方〜よい「終わり」を迎えるために

葬儀の生前予約をしたほうがいいの?

最近、テレビで葬儀社のコマーシャルが流れることは珍しいことではなくなりました。高齢化社会へとシフトしていく中で、葬儀の需要は確実に高まっています。一方で、日本は葬儀にかかる費用が世界で一番高い国である、というデータもでています。「お葬式にそこまでお金はかけたくないなあ」と思う方もいらっしゃるでしょう。

そこで質問です。あなたは「自分の葬式ってどうなるんだろう?」と考えたことはありますか?「え?そんなこと考えたこともないよ」という人がほとんどでしょう。そこで、一度自分の葬式について考えてみてはいかがでしょうか?葬儀社も、そういったニーズにこたえるために、「葬儀の生前予約」というシステムを導入する会社が増えています。

では、これは一体どういうシステムなのでしょうか?わかりやすく言えば、「生きているうちにお葬式の詳細を決めてしまう」システムです。「生きているのに、自分が死んだ後のことを考えるなんて縁起が悪い」と思うかもしれません。事実、日本では「生きているうちにお墓を建てると、その人は早死にする」など、生きているうちに死んだ後のことを考えることはタブー視されてきました。

現在でもその風潮は残っています。これを読んでいる人の中にも、なんとなく嫌悪感のようなものを感じる方はいらっしゃるでしょう。そういう方は無理に考える必要はないのかもしれません。しかし、こういう考え方もできます。一度でも喪主としてご家族やご親族の葬儀を経験した方は、「葬儀ってなんて決めることが多いのだろう」と思ったはずです。

亡くなった後すぐに葬儀社に電話し、担当者に来てもらい、決めることが山のようにあって・・・と「もう二度とやりたくない」というのが正直な感想だったはずです。では、なぜ、「もう二度とやりたくない」になるのでしょうか。それはひとえに、「故人がどうしてほしかったのかもわからない上に、決めることが山のようにあるから」だと思います。

大事な人が亡くなったら、本来はしめやかにその悲しみに身を任せていたいはずです。しかし、現実は決めることが山のようにあり、とても悲しみにひたっている暇なんてなかったはずでしょう。生前に葬儀について考えることで、こういった悩みはだいぶ解消されます。確かに、生きているうちから自分が死んだ後のことを考えるのは抵抗感があるかもしれません。

でも、残された人への負担を考えると、こっちのほうがいいと思いませんか?また、もっと現実的な話として、お金の問題があります。葬儀は、どうやってやるかによってかかる金額がまったく異なってきます。豪華にしようと思えばいくらでも豪華にできるし、逆に、質素にしようと思えばいくらでも質素にできます。

生前、葬儀社の担当の方と相談すれば、自分で納得して葬儀の費用を決めることができます。そのため、残された人に精神的な負担をかけなくて済む、というメリットもあります。自分で納得のいく葬儀ができる、これが生前予約をする最大のメリットかもしれません。生前予約を考えている人は、葬儀社に連絡をし、話し合ってみるといいでしょう。