後悔しない「終活」のやり方〜よい「終わり」を迎えるために

お墓はどうやって選べばいいの?&最近のお墓事情

自分の家に先祖代々のお墓があって、そこに入ればいい、というのなら、お墓選びなどということで悩む必要はありません。でも、すべての人がそういう風にできるとは限りません。そうなった場合、お墓もしくは納骨堂などの遺骨を納める場所の検討を始めなければいけないことになりますが、実際どうすればいいのでしょうか。お墓選びをするときのポイントと、最近のお墓事情についてまとめてみました。

お墓には大まかにわけて、3つのタイプがあります。公営墓地、私営墓地、寺院墓地の3つです。それぞれについてみていきましょう。公営墓地はその名の通り、市や区などの自治体が運営する墓地です。宗教や宗派は問わないところがほとんどです。また、公営墓地に関しては、一つ知っておいて欲しいことがあります。それは「都市部では公営の霊園を買うことは本当に大変である」ということです。

政令指定都市クラスのところでは、市営霊園の入居倍率が20倍近く、という場所も確かに存在します。公営霊園は経営も安定しているし、費用も安く済むのが長所ですが、それだけ希望する人も多いです。幸運にも抽選に当たればそれが一番いいのですが、簡単に当選する倍率でないことはお分かりいただけるでしょう。また、墓石の形などに制限があるので、「自分でデザインした個性的なお墓に入りたい」人には向いていません。

私営墓地は、葬儀社などの会社が運営する墓地です。こちらも公営墓地と同じで、宗教や宗派は問わないところが多いです。また、公営墓地とは違って墓石のデザインに制限がないところがほとんどです。自分のお墓を個性的にしたい人にはもってこいでしょう。最近ではペットとお墓に入れる、というサービスを打ち出している墓地も出てきました。しかし、当然のことながらデメリットもあります。

まず、場所の問題です。郊外にあるところが多く、電車などの公的交通機関でのアクセスが大変なことも多いです。また、墓石を買うときの石材店が指定されている場合があります。そして、経営主体によって費用やサービスの差が激しいです。私営墓地を検討するときは、いろいろな墓地の資料を取り寄せて、比較検討するといいでしょう。

寺院墓地は、その名の通り、お寺にある墓地です。檀家になって、葬式からの一連の法事を頼むことができる、という安心感はあります。お墓の管理はお寺がやってくれるため、手間がかからないのがメリットです。しかし、永代使用を希望する場合は、お寺に定期的にお布施という形でお金を納めないといけません。

また、墓石を買うときの石材店も指定されていることが多いので、安い石材店を選ぶことができません。そのような背景もあり、維持費は先の2つの墓地よりやや高めとなっています。自分の家の近所に墓地を募集しているお寺があれば、話を聞いてみるのも一つの手段かもしれません。これらの話をまとめると、「お墓そのものの購入費用」「アクセス」「維持費」の3つのポイントに従ってお墓選びをするといいことになります。

また、お墓とは違いますが、最近注目されている施設として納骨堂があります。これは、もともとは遺骨をお墓に納めるまでの一時的な置き場として使われていましたが、最近ではお墓と同じ扱いをすることが増えてきました。都心部に多いです。お墓に多くの維持費をかけたくない人や、気軽にお参りをしたい人は検討してみる価値があるでしょう。