後悔しない「終活」のやり方〜よい「終わり」を迎えるために

終活を始めるタイミングは?

終活を始めるのに、これといった時期はありません。基本的には「したいときにするのが一番」というのが現実的な答えでしょう。新聞で見た、テレビで見た、ネットで見た、そんなときに「自分も終活しないとだめなのかな」と思う方は多いはずです。思い立ったが吉日、で始める人も多いかもしれません。具体的な行動に移さないまでも、一度や二度考える、そんなことは誰にでもあるでしょう。

また、誕生日を迎えたときに、「節目だから考えてみるか」と気軽な気持ちでチャレンジする人もいらっしゃるかもしれません。誕生日を迎える、ということは、それだけ一歩人生の終りに近づく、ということでもあります。それ以外で、終活をするのにおすすめのタイミングについて考えてみましょう。まず、考えられるのが、「家族が増えたとき」です。結婚したとき、子供ができたときなどがこれにあたります。

家族が増える、ということは、それだけ守るべきものが増えた、ということです。そういう人たちのために、自分が亡くなったらどうしてほしいのか、ということを明確に伝える準備をすることはとても大事です。逆に、「家族、親戚、親しい人が亡くなったとき」も終活を始めるいいタイミングといえるでしょう。人間は大事な人の死に直面したとき、さまざまなことを考えます。

自分の人生がこれからどうなっていくのか考えてしまった、ということを考える人も多いのではないでしょうか。そして、そういうときには、「人は必ず死ぬ存在である」ということも強く意識するはずです。そこから、「自分だったらどういう風に死を迎えたいか」と考えることにもなるでしょう。また、「自分自身が病気をしたとき」もタイミングとしていいかもしれません。

入院をするほどの病気だった場合、「自分が死んだらいったい周りはどうなってしまうんだろう」とぼんやりとした不安を覚えることは誰にでもあることです。以上のことをまとめると、「人生で大きな出来事があったとき」ということになるでしょう。人生で大きな出来事がある、ということは、それだけ人とのかかわりが増える、ということです。

人とのかかわりが増える、ということは、それだけ亡くなるときにお別れを言わなければならない人も増える、ということでもあります。そして、そういった人たちには、「自分はどうしてほしいのか」を伝えなければならないのもまた事実です。「終活」は1日や2日でできることではありません。やってみるとお分かりになるかとおもいますが、とても時間がかかるものです。

極端な話をすれば、終活をやっている間にご自身が亡くなってしまう、ということもありえない話ではないのです。それを考えれば、少しでも早く取り掛かったほうがいい、というのが現実です。「私は元気だからまだ大丈夫」と考えるのではなく、「元気なうちにやれることをしておこう」という気持ちで取り組むのが大事といえるでしょう。「今日が自分の人生の最後の日」という言い回しはよく使われますが、終活に対してもそんな意識で取り組むといいかもしれません。